耳鼻咽喉疾患

耳鼻咽喉科編① 耳疾患について(総論、解剖学)

耳鼻咽喉科4




注意事項:このシリーズは、あくまでも国家試験の内容からのものであって、試験としては必要な知識は得られますが、より細かい疾患や人体の機能などの基礎部分は載っていないことがあります。
そのため、
これを全て把握しても人体については全て理解し、学べたということにはなりませんのでご注意ください。
医学は未知の部分も含め、既知の部分であってもかなりの量です。ここは忘れないようにしてご利用ください。)


今回から耳鼻咽喉科の領域になります。

まずは、耳の総論、解剖についてみていきます


耳の解剖・用語解説


内耳・中耳・外耳について


ここでは、大まかな耳の構造を確認していきます


部位の範囲構造機能
外耳耳介、外耳道伝音系
中耳鼓膜、鼓室、耳管
耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)
伝音系
内耳聴覚、平衡覚の受容器
蝸牛、聴神経(第Ⅷ脳神経)、三半規管
感音系
内耳・中耳・外耳について


伝音系耳介で空気の振動を集音して、外耳を通り、中耳で維持させて伝播する機能のことをいう。

耳小骨:ここで音を増幅させる

感音系内耳振動を活動電位に変えて神経に伝えていく機能のことをいう


次に、細かい部位や用語などを見ていきましょう


部位・用語機能・形態
ツチ骨、キヌタ骨(ツチキヌタ関節)伝音機能を司る
アブミ骨前庭窓(卵円窓)に付着している。内耳の蝸牛に伝える
蝸牛、コルチ器コルチ器は中央階にある

蝸牛からは前庭神経(上側)蝸牛神経(下側)にある

音の振動エネルギーを電気信号に変換する器官

※次の項目で解説
前庭部耳石器(球形嚢、卵形嚢)があり、平衡機能を司る
乳突洞(antrum)鼓室と乳突蜂巣を交通する洞である

乳突蜂巣の中の大きな空間で上鼓室の後方に存在する
S状静脈洞脳の静脈血流出路である

横静脈洞からS状静脈洞や経静脈球を形成し、経静脈孔から内経静脈に連続している
舌知覚三叉神経第三枝・下顎神経が支配する
中耳腔換気能耳管および鼓室乳突蜂巣の含気腔が関与する
平衡覚前庭半規管(前・後・外側)が司る

半規管はそれぞれおよそ90度の角度を付けて存在している
半規管3つある

前(上)半規管、後半規管、外側(水平)半規管
水平(外側)半規管立位で頭部を振ることで刺激され、前庭眼反射を介して眼球運動が働き、視線が一点に固定することができる

(そのため、自分は動くが物が動いて見えない
聴覚聴覚は外耳道、鼓膜、耳小骨、前庭窓、蝸牛、蝸牛神経にある
内耳道内耳神経(前庭・蝸牛神経)顔面神経が走行している

このため、顔面神経が内耳道内で血管により圧迫されると顔面けいれんをおこすこととなる。
内リンパ嚢内耳の後方、後頭蓋窩に接して存在する
鼓室鼓膜の奥にある空間で耳管に続いている、耳小骨がある
クプラ、感覚毛、有毛細胞三半規管内の内リンパに存在する

クプラ部分は三半規管内の膨大部にあり、体の動きと反対方向に傾く

感覚毛、有毛細胞は神経線維に繋がっている
膨大部三半規管の一部

内部の有毛細胞で回転加速度を感知する
耳石前庭器官の球形嚢、卵形嚢にある
平衡斑前庭器官の球形嚢、卵形嚢の感覚上皮である
球形嚢(内耳)直線加速度や頭部の傾きを感じ、体の平衡を保つ
耳の解剖について


感覚毛の上にそれぞれあるものをまとめると


感覚器官上に付属しているもの
蝸牛蓋膜
耳石器耳石膜の上に耳石
半規管クプラ
感覚器官とその付属器について


耳鼻科の診察器具について


器具名内容
拡大耳鏡外耳道や鼓膜観察に用いる

処置には用いるのは困難
→処置は顕微鏡下で行うことが多い
吸引嘴管(きゅういんしかん)鼻腔や上咽頭に貯留した鼻汁の吸引に用いる
前鼻鏡鼻腔内を観察するとともに、処置の際に器具の挿入を容易にする

第1頭位:下鼻甲介を観察
第2頭位:中鼻甲介を観察

上鼻甲介は通常観察できない
膝状鑷子(しつじょうせっし)見た目はピンセットのようなもの
鼻内の異物や痂皮の除去、ガーゼ挿入などの処置に用いる
フレンケル型舌圧子舌背をおさえて口蓋垂・口蓋扁桃の観察に用いる
耳鼻科の診察器具について


耳鼻科
耳鏡、拡大耳鏡、耳垢鉗子(じこうかんし)、鼓膜切開刀、鼓膜喚起チューブ、補聴器、人工内耳
など
前鼻鏡、後鼻鏡、膝状鑷子(しつじょうせっし)、吸引嘴管(きゅういんしかん)、内視鏡(ファイバースコープ)
咽喉頭舌圧子、内視鏡(ファイバースコープ)
めまいFrenzel眼鏡(フレンツェル)、赤外線Frenzelカメラ
など
診察部位ごとに使用する器具について


内視鏡使用時は、前処置に血管収縮薬のアドレナリン局所麻酔薬のリドカインを用いることが多い。

薬液はスプレー噴霧など、前鼻鏡はここで用いるものである。

額帯鏡(頭部につける円盤の鏡)は最近はLEDランプ拡大鏡内視鏡顕微鏡など多くの光学機器がある。


音の伝わり方について


・聴覚の感覚中枢は大脳皮質側頭葉にある


・内耳の感音系であるコルチ器の有毛細胞や聴神経(第Ⅷ脳神経)に異常が無ければ頭蓋骨からの骨伝導で音を聴くことができる


・音は前庭窓から内耳に入るが、これが蝸牛の前庭階(外リンパ)である


・音は蝸牛の基底回転によって高音を感知し、頂回転低音を感知する


コルチ器(ラセン器)は 蓋膜(がいまく)+有毛細胞 で構成されている(中央階に存在)

(細かくは、支持細胞と基底板もあり)


→ 有毛細胞(感覚細胞) = 外有毛細胞 + 内有毛細胞


部位内容物組成
前庭階、鼓室階外リンパ液(細胞外液)Na+ > K+
蝸牛管内リンパ液(細胞内液)Na+ < K+
内外リンパ液について


<音の伝わり方について>

①耳小骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)→ 前庭窓(卵円窓) → 前庭階(外リンパ) → 鼓室階(外リンパ) → 蝸牛窓(正円窓)


②前庭窓の振動 → 中央階(内リンパ) → コルチ器(感覚細胞の有毛細胞) → 神経(第Ⅷ脳神経) → 大脳皮質側頭葉


蝸牛の基底回転 → 頂回転 → 鼓室階(外リンパ) → 蝸牛窓(正円窓)


その間、音の波動が有毛細胞を刺激して音を感知する



聴力について


・ヒトの感知できる周波数は20~20,000Hz(ヘルツ)といわれている。


20,000Hzを超えるものを超音波といい、30代以降に聞こえにくいとされるモスキート音17,000Hzほどとなっている。


鼓膜の切開について


鼓膜に関する知識をまとめたものです


鼓膜切開は原則、鼓膜緊張部の下部にすること


鼓膜緊張部の後上部では耳小骨があり、ここで鼓膜切開をすると耳小骨を損傷する危険性がある

また、鼓膜弛緩部では穿孔の閉鎖が困難となってしまう


鼓膜弛緩部は2層構造となっている


この部分は薄いため、穿孔したら閉鎖しにくく気圧変化に鋭敏の為、真珠腫の好発部位となっている


一方で、鼓膜のその他の部位は3層構造(上皮層、中間層、粘膜層)である


・鼓膜後上方に耳小骨連鎖があり、ここに耳かきなどで直達外傷があれば内耳障害を起こす可能性がある


鼓膜石灰化の所見は幼少時期に中耳炎の反復があったことを示唆している



内耳神経について


内耳神経(第Ⅷ脳神経)蝸牛神経、上前庭神経、下前庭神経の3本がある


付近にある神経に聴神経鞘腫が発生すれば様々な症状が出てくる


以下は、聴神経腫瘍が起きる部位と症状についてまとめたものとなる(下前庭神経に発生しやすい


リンク先

上からの並び脳神経障害時の症状
三叉神経顔面の感覚障害

角膜の反射消失
顔面神経顔面の運動障害
蝸牛神経高音域の難聴

耳鳴
前庭神経眼振

めまい
聴神経腫瘍発生部位と症状について



リンク先

耳痛の原因について


原因疾患
耳疾患由来のもの耳介・外耳道・中耳の炎症とその合併症、腫瘍性、外傷性、外耳道異物、ヘルペス
口蓋・咽頭扁桃疾患由来舌咽神経を介した放散痛(扁桃周囲炎などの炎症、腫瘍など)
歯科口腔疾患由来三叉神経枝を介した放散痛(炎症性、腫瘍性など)
咽頭喉頭疾患や耳下腺炎由来迷走神経を介した放散痛(炎症性、腫瘍性など)
耳痛の原因について



今回はここまでになります


<参考文献>

メディックメディア Question Bank vol.5 耳鼻咽喉科

病気が見える Vol.13 耳鼻咽喉科

ビジュアルブック 耳鼻咽喉科疾患


注意事項:このシリーズは、あくまでも国家試験の内容からのものであって、試験としては必要な知識は得られますが、より細かい疾患や人体の機能などの基礎部分は載っていないことがあります。
できる限り正確な情報発信に努めておりますが、当サイトに記載した情報を元に生じたあらゆる損害に対しては当サイトは一切責任を負いませんので、あくまでも参考としてご利用ください。



    • この記事を書いた人

    TK.Ph

    自分が学んで知った事が、人の役に立つならいいかなと思いサイトを開設 ・食べる事が好きで、そのために運動をはじめました

    -耳鼻咽喉疾患
    -, ,