登録販売者合格講義ノート

第15回 一般用医薬品(OTC)の成分について(3)(皮膚、目、鼻など)

第15回

今回もOTCで用いられる成分について見ていきます


量が多いですが、ここも徐々に覚えていけるよう繰り返していきましょう


皮膚に用いられる成分について


皮膚に用いる薬は外皮用薬(外用薬)といいますが


これは、皮膚表面に生じた創傷や筋肉や関節などの症状(痛みなど)を改善または緩和させるために、外用局所で使用される医薬品になります


これら外皮用薬は、特性上、表皮の角質層から有効成分が浸透することから、入浴後などで角質層が柔らかくなることでより効果的であるといえます
(逆にステロイド外用薬などでは強い作用があるため、吸収量が高まることは危険なことがあるため気をつけましょう)


外皮用薬といってもいくつか剤形があります


ここでは主にOTCで用いられる剤形について見ていきましょう


<外皮用剤について>


塗り薬:軟膏剤、クリーム剤、ローション剤(液剤)

→水分と油分の基剤(有効成分を混ぜるために使用されるもの)の配合比率によって決まっている剤形になります


貼付剤:テープ剤、パップ剤

→汗や汚れなどはしっかり拭いてから貼るようにすること(効果の減弱や剥がれやすさの原因となる)


スプレー剤、エアゾール剤

→目の周りや口などの粘膜への使用は避けること、また、至近距離の使用や同じ部位へ長く噴霧することはしないこと(凍傷の危険性)


などがあります


リンク先

剤形特徴
軟膏剤・水分を含まず、油分のみとなっている

・水を弾き保湿力が高いことから、体からの蒸散(乾燥)を防ぎ、皮膚保護作用が高い(皮膚浸透性は低い)

・有効成分による刺激性は感じにくいため、患部が荒れている場合(敏感肌など)は適当といえる

→乾燥(カサカサ)した患部や湿潤(ジュクジュク)した患部に使いやすい

・ベタベタすることから塗り心地は快適とは言い難い

→夏場などではクリーム剤を活用するなどがよい
クリーム剤・水分と油分がそれぞれ配合されている剤形(配合比率は製剤によってまちまち)

・伸びがよく、塗り心地がよい(皮膚浸透性は高い)

・水や汗などで洗い流しやすい

刺激性が軟膏よりも強く、傷口、肌荒れ、湿潤(ジュクジュク)している箇所への使用は適してない
ローション剤
(液剤)
・液体の塗り薬のこと

・水分のほかアルコールも含んでおり、塗った後は乾きやすいためベタつかない

→乾燥しやすいため、乾燥肌では悪化することもある(その際は、ローション剤を塗った後は保湿剤などを活用しても良い)
テープ剤・薄く貼り付きが良いタイプ

・剥がすときは皮膚が引っ張られて痛いことがある

・長時間の使用や連用によりかぶれやすい
→そのため、剥がしてからは数時間時間をおいて使用したり、保湿剤などで皮膚を保護することが大事
パップ剤・テープ剤に比べて厚みがあり、貼りつきは比較的弱く、剥がしやすい

・水分を含んでおり、テープ剤よりもかぶれにくい
(有効成分に反応してかぶれることはある)
スプレー剤・エアゾール剤・有効成分を容器に充填した液化ガスや圧縮ガスと一緒に噴出させる製剤

・この剤形では、粉末状、泡状、ゲル状、クリーム状などで噴出されるものがある
外皮用薬の剤形について


剤形について確認したところで、次からは具体的な成分について見て見ましょう


殺菌消毒成分について


殺菌消毒成分は、手指消毒、皮膚消毒などで化膿防止のために使用される成分です


成分作用内容
アクリノールウイルス、真菌、結核菌には無効である

黄色い色素一般細菌類の一部に殺菌消毒作用を示す
・衣類に付着すると黄色く着色してしまい、脱色もしにくい

・内服薬の止瀉薬に配合されることあり

低刺激性で傷口にしみにくい性質
オキシドールウイルス、真菌、結核菌には無効である

過酸化水素の分解時に発生する活性酸素の酸化作用泡立ちによる洗浄効果を示す
・作用持続性が乏しく、組織浸透性も低い性質

刺激性があり、特に目の周りへの使用はしないこと
ポビドンヨード一般細菌類(結核菌含む)、真菌類、ウイルスなどに有効

・ヨウ素の酸化作用を利用している
ヨウ素を含む製剤
→このため、ヨウ素アレルギーの人へは使用禁忌

ヨウ素はアルカリ性で殺菌作用が減弱するため、石鹸など(アルカリ性)と併用する際はしっかり洗い流してから使用すること

皮膚の殺菌消毒はうがい薬や口腔咽喉薬として用いるものよりも高濃度で使用される
(手術による切開前などで利用されている)
ヨードチンキ一般細菌類(結核菌含む)、真菌類、ウイルスなどに有効

・ヨウ素・ヨウ化カリウムをエタノールに溶解したものである
皮膚刺激性が強く、粘膜面(目や口など)や化膿部位への使用は避けること

・マーキュロクロム液と反応し、不溶性沈澱を生じて効果が減弱する
ベンザルコニウム塩化物
ベンゼトニウム塩化物
セチルピリジニウム塩化物
結核菌やウイルスには無効である

・陽性界面活性成分である
・石鹸と混じると効果が減弱してしまうため、石鹸は十分に洗い流してから使用すること
クロルヘキシジングルコン酸塩一般細菌類、真菌類に効果あり

結核菌やウイルスには無効である
口腔内使用時、まれにアナフィラキシーなどのショック(全身性の重篤な副作用)を生じることがある
マーキュロクロム・有機水銀の一種

一般細菌類の一部に有効である

ウイルス、真菌、結核菌には無効である
・皮膚浸透性が低く、通常は水銀中毒のおそれはないが、口周囲など口の触れる箇所への使用は避けること

・ヨードチンキと反応し、不溶性沈澱を生じて効果が減弱する
エタノール一般細菌類(結核菌含む)、真菌類、ウイルスなどに有効

・微生物のタンパク質を変性することで殺菌消毒する
・可燃性あり(揮発性で引火するおそれ)

・蒸気の吸引に注意
粘膜刺激性がある

脱脂による肌荒れを起こしやすい
イソプロパノール・アルコールの一種であり、エタノールと同様の性質

・エタノールに比べてウイルスに対する効果は弱い
上記同様
殺菌消毒成分について


痒み、腫れ、痛みなどを抑える成分について


ここでの内容は非常に医療現場、ドラッグストアなどでも汎用されているものとなります


学びがいがありますので、しっかり身につけていきましょう


まずは、湿疹や皮膚炎等の皮膚の炎症に用いられる成分です


成分作用内容
デキサメタゾン

・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル

・プレドニゾロン酢酸エステル

ヒドロコルチゾン

など
末梢組織の患部で抗炎症作用を示す

→ステロイドの作用については第7回補足を参照
ステロイド性成分であり、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同じ構造をもっている

末梢組織の免疫機能を低下させるため、皮膚感染症のリスクあり
→このため、感染性疾患への使用は禁忌
→化膿している場合、鑑別が難しいため、販売を無理には勧めず受診勧奨が必要なことあり

長期連用は避けること
→慢性湿疹への使用はしない

広範囲への使用は避けること
→皮膚から吸収されて、全身性の副作用を起こすこともある
→コルチゾン換算で、1g(1mL)中0.025mgを超えて含有するものは長期連用を避けること
ウフェナマート皮膚の炎症によるほてり、痒みなどの緩和に効果あり・非ステロイド性成分

湿疹、皮膚炎、かぶれ、汗疹(あせも)などの緩和に用いられる

日焼けに対する適応はない

・細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などあり

・プロスタグランジン産生抑制作用の有無については不明とされる
ブフェキサマク上記同様の作用現在は副作用である接触性皮膚炎光線過敏症※)のリスクが大きいことから販売は中止となっている
かゆみ、腫れ、痛みなどを抑える成分について


※ 光線過敏症:紫外線によって、薬剤を塗布した箇所が反応して火傷のように赤く腫れ上がる症状をいう

治療にはステロイドを使用したりするが、これは病院での診断の上で治療を受けること


次に、筋肉痛や関節痛などに用いられる成分(主に非ステロイド性成分)について見ていきます


成分作用内容
・インドメタシン

・フェルビナク

・ピロキシカム

・ジクロフェナクナトリウム
・プロスタグランジンの産生を抑制することで抗炎症作用を示す

→PG系の作用や、喘息に禁忌の理由については第4回「アスピリン喘息について」を参照

・作用部位は皮膚下層にある骨格筋や関節部
(浸透して作用を示す)
・塗り薬やエアゾール剤は1週間で50g(50mL)を超えて使用しないこと

・貼付剤は2週間以上続けて使用しないこと

15歳未満の使用は避けること(インドメタシン製剤では一部、11歳未満は避けること)

喘息既往者では使用しないこと

妊婦の使用は避けること
(胎児動脈管閉塞症のリスクがあるため)
→参考資料※
ケトプロフェン光線過敏症を起こすことがある

→紫外線を強く浴びることでリスクが高まるため、使用しているときは戸外活動を避け、患部を衣服やサポーター等で覆うこととされている

(使用をやめてから3、4週間ほど経ってからでも発症することが報告されている)

・以下にアレルギーのある人はケトプロフェン製剤は使用しないこととなっている

医療用医薬品:チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート

紫外線吸収剤:オキシベンゾン、オクトクレリン
・サリチル酸メチル

・サリチル酸グリコール
局所刺激作用により血行促進や鎮痛作用を示す・その他の成分に該当

・局所刺激作用によって血行を促進し、末梢の知覚神経には軽い麻痺作用を起こす
筋肉痛や関節痛などに用いられる成分について



抗菌作用のある成分について


ここでの抗菌薬は、にきびや吹き出物に用いられる成分をみていきます


成分作用
イブプロフェンピコノール・吹き出物(面皰:めんぽう)による赤み、腫れや吹き出物の拡張を抑える作用

・イブプロフェンの誘導体であるが、鎮痛作用は期待できない
・サリチル酸

・イオウ
・角質軟化作用、抗菌作用、抗真菌作用を示す

イオウ:角質層のケラチンを変質させて軟化させる作用
バシトラシン細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示す
サルファ剤
(スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾールなど)
細菌のDNA合成を阻害することで抗菌作用を示す
・クロラムフェニコール

・硫酸フラジオマイシン
細菌のタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を示す
抗菌作用のある成分について


次に、抗真菌作用のある薬剤について見ていきます


真菌が原因であるものには、みずむしがあります


その原因は、皮膚糸状菌(白癬菌:はくせん)の寄生による表在性真菌感染症となっています


この感染症では、感染部位によって名前が違っています


手足の感染:みずむし


爪:爪白癬


胴や四肢:ぜにたむし


内股、尻、陰嚢(いんのう)付近:いんきんたむし


頭部:しらくも


となります


また、みずむしには3つの種類にも分けられています


趾間(しかん)型指の間の皮膚がむけて、ふやけ、亀裂やただれなどがみられるもの


小水疱型足の裏小さな水疱ができるもの


角質増殖型足の裏全体紅斑と角質の増殖がみられるもの


水虫に対する治療薬は、液剤と軟膏、クリーム剤があります


それぞれの特徴については前述を参照してみてください


水虫で使用する液剤は、液剤の特徴として刺激が強いことから、皮膚が厚く、角質化している部分へ使用します


そして、軟膏やクリーム剤は刺激が少ないため、湿潤している部分へ使用します


成分作用
<イミダゾール系※>

・オキシコナゾール硝酸塩
・クロトリマゾール
・スルコナゾール硝酸塩
・ネチコナゾール塩酸塩
・ビホナゾール

など
皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることで、細胞膜の透過性を変化させて増殖を抑制する作用がある

他の薬剤でも言えることだが、系統立てているのは、同系統の成分でかぶれやアレルギー症状が見られた場合は、他の成分でもかぶれやアレルギー症状を示すことがあるため、基本的には使用を避けること
・アモロルフィン塩酸塩
・テルビナフィン
・ブテナフィン塩酸塩
皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げる作用あり
ウンデシレン酸患部を酸性に保って菌の増殖を抑制する作用あり
シクロピロクスオラミン皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、増殖や生存に必要な物質の輸送機能を妨げる作用
ピロールニトリン菌の呼吸や代謝を妨げる作用
モクキンピアオイ科のムクゲの幹皮を基原とした生薬であり、皮膚糸状菌の増殖を抑制する作用
抗真菌作用のある成分について


※ イミダゾール系:imidazolと書き、アゾール(azol)部分が共通した名称がついており、初めてみる成分名でもある程度系統が予想つけることができます

アゾール系とも


患部が化膿している場合があります

この時は、抗菌成分を含む外用剤を使用したり、化膿が治ってから水虫の治療薬を使用します

湿疹か皮膚糸状菌の感染によるものかはっきりしない場合は抗真菌剤は使用しないこととなります

→はっきりしない場合は受診勧奨


外皮用薬に用いられる成分について(その他)


今回の最後の内容になります


外皮用薬で使用される成分には内服薬として用いられる成分もあったりします


飲むと全身性の作用がありますが、塗ると、部位にもよるところはありますが局所作用を目的に使用されます


そのため、全身性副作用は避けることができ、ピンポイントで効かせたい部位にだけ使用をすることができるという利点があります


そんな外皮用薬についてみてみましょう


薬効分類成分内容
抗ヒスタミン成分・クロルフェニラミン

・ジフェンヒドラミン

など
湿疹や皮膚炎、虫刺されなどの皮膚の痒みを和らげる作用
局所麻酔成分・アミノ安息香酸エチル

・ジブカイン

リドカイン

など
知覚神経を麻痺させて、傷の痛みや湿疹、皮膚炎などの痒みを和らげる作用
冷感刺激成分・カンフル

・メントール

など
・皮膚表面を冷感刺激することで、反射的に血管拡張を起こし、血行を促進する

・知覚神経麻痺による鎮痛や鎮痒作用も期待

・打撲や捻挫などによる急性の腫れ、熱感を伴う症状への使用が適している
温感刺激成分・カプサイシン

・トウガラシ

・ノニル酸ワニリルアミド
・皮膚表面を温感刺激することで、末梢血管の拡張で血行を促進する

・温感刺激成分は入浴前1時間と入浴後はほてりが落ち着くまでは剥がすよう説明する必要あり

→肌がヒリヒリするなど痛みを伴うことがあるため
温感刺激成分-痒み止めクロタミトン・湿疹や皮膚炎、虫刺されなどの皮膚の痒みを和らげる作用

皮膚に軽く灼熱感を与え、痒みを感じにくくする作用
組織修復成分アラントイン傷ついた皮膚の修復促進作用
血管収縮成分ナファゾリン・アドレナリン作動成分である

・患部の血管を収縮し、止血作用もあり
皮膚の収斂・保護成分・酸化亜鉛

・ピロキシリン(ニトロセルロース)
酸化亜鉛:患部のタンパク質と結合して皮膜を作って皮膚を保護する

ただし、患部が浸潤・化膿している時は使用を避けること

ピロキシリン:創傷面に薄い皮膜を形成して保護をする
血行促進成分ヘパリン類似物質・抗炎症作用、保湿作用あり

・血液凝固抑制作用により、出血しやすい人や、出血性血液疾患のある人への使用は避けること
角質軟化成分・サリチル酸

イオウ
サリチル酸角質を溶解する作用あり、うおのめたこに用いられる

また、ニキビ用薬としても用いられる(抗菌、抗真菌、抗炎症作用)

毛髪用薬では、フケを防ぐ役割で用いられる

イオウ:角質層を作るケラチンを変質させる作用あり

ニキビ用薬としても用いられる(抗菌、抗真菌作用あり)
保湿成分・オリブ油

・グリセリン

・尿素

・白色ワセリン

など
角質層の水分保持量を高めて皮膚乾燥を改善する
外皮用薬に用いられる成分について(その他)


今回はここまでとなります


量が多いため、内容は次回にも続けていきます


お疲れ様でした


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    • この記事を書いた人

    TK.Ph

    自分が学んで知った事が、人の役に立つならいいかなと思いサイトを開設 ・食べる事が好きで、そのために運動をはじめました

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