眼科編

眼科編⑥ 網膜疾患について(1)

眼科疾患

今回は眼科編の第6回目となります。ここで眼科は中盤くらいでしょうか。

ここでは、網膜疾患についてまとめていきます。量の関係で2回に分けてあります。

尚、加齢黄斑変性、網膜剥離、糖尿病黄斑変性、網膜色素変性症、網膜芽細胞腫、コーツ病、は眼科編⑦にあります。



注意事項:このシリーズは、あくまでも国家試験の内容からのものであって、試験としては必要な知識は得られますが、より細かい疾患や人体の機能などの基礎部分は載っていないことがあります。
そのため、
これを全て把握しても人体については全て理解し、学べたということにはなりませんのでご注意ください。
医学は未知の部分も含め、既知の部分であってもかなりの量です。ここは忘れないようにしてご利用ください。)


網膜中心動脈閉塞症について



網膜中心動脈閉塞症とは、粥状動脈硬化病変による遊離塞栓によって網膜中心動脈が閉塞して急激な視力低下視野障害を生じたものをいう



・通常、網膜は壊死となり非可逆的なことが多いが、閉塞後早期に網膜血流が改善すれば治癒する可能性も高い。


・症状は、突然に片側視力障害視野欠損が起こる。


これは痛みは伴わない



眼底検査ではcherry red spot※を認める。


→検眼鏡的眼底所見である。これは、虚血によって眼底後極部が蒼白となり、黄斑部のみ色調が残ることでcherry red spotと言われている。



蛍光眼底造影検査では、灌流時間の低下スラッジング(sludging:血球の凝集)などが認められる



網膜の動脈血管は狭窄を示す



・実際には、網膜中心動脈閉塞症というよりは、網膜分枝動脈閉塞症の方が多い。(前段階といえるもの)


cherry red spot桜実紅斑ともいい、網膜は乳白色に混濁(強い浮腫)し、中心窩の部位だけ暗赤色となっている状態をいう。


本来はオレンジ色に見えるが、網膜が白く変色している箇所が、網膜動脈分枝閉塞症の所見となる。


蛍光眼底造影検査では、動脈に蛍光色素がほとんど流入できないため、血管描出がみられない


急性期では、網膜中心動脈への蛍光色素の流入が遅延する。


また、静脈への還流も遅延する。


<治療>


1時間以内に血流の改善がなければ網膜機能の回復は見込めない


眼球マッサージ


血管拡張薬:亜硝酸アミル


血栓溶解薬の投与


高圧酸素療法


などが挙げられるが、まずは心循環系や血管炎のための全身精査を行う必要がある



cherry red spotを呈する疾患について


疾患内容
網膜中心動脈閉塞症前項目、上記参照
Tay-Sachs病(テイサックス:TSD)細胞中のライソゾームの中のGM2-ガングリオシドという物質の分解に関する酵素の働きが不十分で起こる疾患。
Nieman Pick病(ニーマンピック)遺伝性疾患でありA型、B型、C型がある。

予後は悪いとされる
異染性白質ジストロフィー遺伝性疾患であり脳白質、末梢神経、腎臓などにスルファチドが蓄積し、中枢および末梢神経障害をきたすもの。

治療は現状で対症療法、造血幹細胞移植
cherry red spotを呈する疾患について



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Tay-Sachs病について(TSD:テイサックス)


Tay-Sachs病(テイサックス)とは遺伝的疾患であり、常染色体劣性遺伝である。


症状は失明や筋肉の緊張の低下、けいれん、精神発達の遅れなどが主症状となる。


テイ・サックス病が疑われる場合


遺伝子検査

絨毛膜採取

羊水検査


を行う。


治療については


現状では有効な治療法は無く、一般的に4、5歳で亡くなることが多い


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Niemann-Pick病について(ニーマンピック)


ニーマンピック病常染色体劣性遺伝疾患である。


これには、A型、B型、C型があり


A型とB型酸性スフィンゴミエリナーゼが欠損していることで生じる疾患であり


C型NPC1またはNPC2蛋白の異常によって起こる疾患となる。


主な症状は


肝臓、脾臓、骨髄の網内系細胞と神経細胞に


スフィンゴミエリン、コレステロール、糖脂質などが蓄積する


分類発症時期症状
A型乳児期・肝脾腫
・精神運動障害
・垂直眼球運動障害
B型小児期主に肝脾腫

神経症状はなし
C型発症年齢は様々・肝脾腫
・カタレプキシー※1
・垂直眼球運動障害
・ジストニア※2
・痴呆

などの神経症状を呈する

成人では痴呆や抑うつ症状と
精神症状が主体となっている
Niemann-Pick病の分類について


※1 カタレプキシー緊張型統合失調症で見られる症状の一つである。


受動的にとらされた姿勢を保ち続け、自分の意思で変えようとしない状態である。


これは強硬症、蝋屈症(ろうくつしょう)とも呼ばれる。 意欲障害に基づいている。


※2 ジストニア:指定難病120。比較的長い筋肉に不随意運動が起こり、随意運動が障害される疾患である。


症状は多岐に渡り、脳性麻痺、脳血管障害、パーキンソニズムなどや、主に斜頸、顔面痙攣、書痙などがある。



治療は病型によって様々あり


深部脳刺激療法が有効な病型

薬物療法が有効な病型

食事に留意する必要がある病型


など様々である



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異染性白質ジストロフィーについて


発症時期と臨床経過により、乳児型、若年型、成人型に分類される


分類内容
乳児型2歳までの発症。症状は

・筋緊張低下
・深部腱反射消失
・歩行障害

を呈する
若年型4歳〜6歳ころの発症。症状は

・視神経萎縮
・知能障害
・痙性麻痺

を呈する
成人型10代後半以降に発症。症状は

・情緒障害
・言語障害
・痴呆
・精神症状

などを呈する
異染性白質ジストロフィーの分類について


急性の視力障害を起こす類似疾患について


急性緑内障発作
網膜中心動脈閉塞症
網膜中心静脈閉塞症
網膜剥離
中心性漿液性脈絡網膜症
原田病:急性ぶどう膜炎など
急性視神経炎
ヒステリー
など
急性の視力障害を起こす類似疾患について


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網膜中心静脈閉塞症(CRVO)について



網膜中心静脈閉塞症には、1/4像限扇状出血(眼底の1/4を占める)がある


そのため、眼底出血をきたす疾患の


糖尿病性網膜症(両眼性の点状〜斑状出血)や


加齢黄斑変性症(黄斑部を中心とした出血)


とは鑑別が可能である


網膜全体が虚血となりうるため、隅角の新生血管を生じる


無痛性で片側性高度な視力低下があり、自覚もある。


・眼底所見では放射状火炎状出血、綿花様白斑が認められるものは網膜中心静脈閉塞症を考慮(CRVO)


鑑別として


扇子状に広がる出血巣を認められるものは網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)を考慮


頻度としてはBRVOが3倍も多い。


視力低下が高度となっても出血巣が見られないこともある


経過により血管新生緑内障が起こりうる。


これには、増殖糖尿病網膜症の末期と同じく、


血管新生緑内障が網膜中心静脈閉塞症の晩期にも合併して予後不良である。


治療について


血管強化薬


VC(アスコルビン酸)

アドレノクロム誘導体(カルバゾクロム



凝固促進薬:レプチラーぜ(ヘモコアグラーゼ)



抗線溶薬トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸


光凝固


レーザー光で網膜を凝固させる治療法である


硝子体手術

眼の硝子体を除去して、網膜硝子体の治療を行う手術


抗VEGF抗体


(VEGF:血管内皮細胞増殖因子)


網膜中心静脈塞栓症のリスク因子について


糖尿病
脂質異常症
動脈硬化症
高血圧症
など
網膜中心静脈塞栓症のリスク因子について


血管新生緑内障について


網膜に無血管野が見られる場合、虚血に陥った網膜から血管新生因子が産生されることとなる。


この因子が、瞳孔縁や隅角に新生血管を発生させる。


症状は霧視や眼痛などがある。


虹彩や隅角表面に伸展して線維性血管膜を形成し、隅角を閉塞することで緑内障に伸展する。


これは一旦発生したものは難治性であり、予後不良である。


血管新生緑内障をきたす疾患類について


網膜中心静脈閉塞症(CRVO)
増殖糖尿病網膜症
③内頸動脈狭窄症
血管新生緑内障をきたす疾患類について


網膜浮腫(黄斑浮腫)で視力障害をきたすもの


光干渉断層像(OCT)検査ではっきりと確認できる


この疾患では、眼底出血が吸収したら治癒するというわけでは無く


数ヶ月から数年経って新生血管緑内障を引き起こし失明することがあるため


定期的な検査はずっと行なっていく必要がある



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網膜静脈分枝閉塞症について



網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は主に網膜中心静脈閉塞症(CRVO)


共通しているところがあるが、CRVOより3倍の罹患率がある


眼疾患症状の用語について


疾患・所見内容・原因
黄斑円孔黄斑部網膜が硝子体皮質に牽引されて円形状に剥がされて起こるとされる。

高齢者で近視に多い。
黄斑浮腫CRVO、悪性高血圧、糖尿病網膜症でみられる
毛細血管瘤糖尿病網膜症などで見られるもの

この場合、他に網膜新生血管がみられる
加齢黄斑変性脈絡膜下から発生した血管新生が網膜色素上皮に侵入し、出血などによって黄斑部が障害されて起こるもの。
網膜色素変性網膜の視細胞が変性し、進行性夜盲を伴う視力低下や、輪状暗点求心性視野狭窄などの視野欠損、羞明を生じるもの。
中心性漿液性脈絡網膜症脈絡膜の透過性亢進によって網膜色素細胞の血液網膜柵が破綻しておこるもの。

そこには漿液性網膜剥離を生じる。
動静脈交叉現象動脈硬化※を示す所見である
視神経乳頭陥凹緑内障などの視神経疾患に認められる
眼疾患症状の用語について


動脈硬化は、高血圧が長く続いて血管壁が硬く変性したものである


この動脈硬化の程度については、動脈の血管壁反射の亢進動静脈交叉現象で判断する


高血圧などの直接的な動脈硬化とは違い、動脈硬化から血管変化を伴う器質的なもののため元に戻すことはできない

この変性過程については以下のとおりとなる


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高血圧性網膜症について


高血圧性網膜症とは、高血圧が原因で両眼性に生じる眼疾患である


高血圧症による眼底の変化Scheie分類(シャイエ)といわれるものがある


一方、動脈硬化によって進行する眼底変化は若干異なっており、これには


Keith-Wagener分類(KW:キースワーグナー)がある


分類高血圧性変化(H)動脈硬化性変化(S)
動脈血管狭細化・動脈壁反射亢進
・軽度の動静脈交叉現象
血管口径不同Ⅰの所見が著名となる
出血・白斑銅線動脈※1
・交叉現象が著明
乳頭浮腫銀線動脈※2
シャイエ分類について


※1 銅線動脈血柱反射※3が血管の幅と同じ太さまで亢進して血柱の色も濁ることで、血管が銅線のように見える状態をいう


※2 銀線動脈血管壁が濁り不透明になることで、血柱が隠れて血管が白く見える状態をいう


※3 血柱反射:血中反射とは、眼底検査で血管を観察した際、血管内の血液に照明が反射して血管の中央が輝いて見える現象のことをいう



分類眼底所見
Ⅰ群軽度の網膜細動脈の狭細化ないし硬化
Ⅱ群中等度ないし高度の網膜細動脈硬化
Ⅲ群細動脈の攣縮性、硬化性病変と血管攣縮性の網膜炎所見(浮腫性綿花様白斑、出血)がみられるもの
Ⅳ群Ⅲ群の所見に乳頭浮腫もみられるもの
キースワーグナー分類について


動脈硬化と高血圧症の眼底所見の変化は区別する必要がある


<治療について>


・先に血圧コントロールをすること


・次に網膜血管出血に対して光凝固(レーザー治療)となる


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虹彩ルべオーシスについて


虹彩ルべオーシスとは、虹彩に発生した新生血管のことをいう。(虹彩新生血管)


これは、眼疾患の末期にみられ難治性の血管新生緑内障をきたす。


その原因疾患には、糖尿病性網膜症などの眼内虚血性疾患、ぶどう膜炎緑内障悪性腫瘍などがある。



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糖尿病網膜症について


糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因となる網膜血管障害であり。糖尿病の4割で合併する。両眼性疾患。

糖尿病罹患して数年から10年ほどで発症する

新生血管ができることは硝子体出血、霧視の原因となる


実際には、糖尿病治療をしないで経過し、視力低下、飛蚊症がでてから眼科を受診してから、初めて糖尿病網膜症と診断されることが多い


そのため、まずは全身状態を把握してから硝子体手術の予定を立てるなど考えていくこと


白内障、緑内障の合併や眼底出血、白斑の所見、増殖網膜症など様々なことが起こってくる。(後述参照↓)


<病状の進行について>

 単純網膜症
   ↓
 前増殖網膜症
   ↓
 糖尿病網膜症
 (増殖網膜症)


糖尿病網膜症の分類にはScott分類、福田分類、ETDRS分類、Davis分類、糖尿病網膜症新国際重症度分類などがある。


Davis分類では、改変Davis分類を用いることが多い。


病期眼底所見
単純網膜症毛細血管瘤
網膜点状、斑状、線状出血
硬性白斑、網膜浮腫
(少数の軟性白斑)
増殖前網膜症軟性白斑
静脈異常
網膜内細小血管異常(IRMA:アーマ)
(蛍光眼底検査:網膜無血管野)
増殖網膜症新生血管(網膜・乳頭上)
虹彩ルベオーシス
網膜前出血
硝子体出血
線維血管性増殖膜
牽引性網膜剥離
改変Davis分類


<Scott分類:1953年>


第Ⅰa期>    <第Ⅰb期
毛細血管瘤    太い静脈の変化
 ↓       (静脈拡張
第Ⅱ期>    走行異常
点状出血     血管新生など)
(点状滲出物         ↓
伴うことあり)        ↓
  ↓             ↓
第Ⅲa期>          ↓
しみ状出血          ↓
大型滲出物 → <第Ⅳ期>  ↓
  ↓     硝子体出血   ↓
第Ⅲb期> ↗   ↓    ↓
出血斑と    <第Ⅴa期>  ↓
滲出物の増加  増殖網膜症  ↓
        ↓  <第Ⅴb期
        ↓  血管型
        ↓  増殖網膜症
        ↓   ↓  
       <第Ⅵ期
        網膜剥離



・初期は自覚症状がない。症状がみられた際には進行していることが多い



増殖前網膜症増殖網膜症非可逆性のため、手術で進行を抑えることが必要である



・「増殖」とは、新生血管ができていることを表す


→この新生血管があることで、硝子体出血をおこすこととなる。



網膜周囲に新生血管が認められ、進行すれば黄斑部にも障害が起こる


脈絡膜の新生血管加齢黄斑変性症などでみられる所見であるので、これはインドシアニングリーン(IA)で確認する


<検査>


眼底検査


単純網膜症では、毛細血管拡張、閉塞、点状出血からの硬性白斑、斑状出血(増殖前網膜症では軟性白斑である)、網膜浮腫など



増殖網膜症では、新生血管、線状・火焔状出血、静脈の著明拡張の他


広範囲の毛細血管閉塞からの、硝子体出血や増殖膜の形成、網膜剥離


蛍光眼底造影法


単純網膜症では、毛細血管瘤、毛細血管閉塞、毛細血管外漏出(からの増殖網膜症で新生血管、無血管野:網膜無灌流領域


増殖網膜症では、全身状態にかかわらず網膜症が進行していることがある。(硝子体手術しても予後不良例が多い


網膜電図(ERG):律動様小波の減弱または消失


<治療>

基本的にはまずは糖尿病治療である。(血糖コントロール)


若年者では網膜症の進行は早いため、早期治療が必要である。


病状の段階で治療選択していく


・単純網膜症:血糖コントロール

  ↓

・増殖前網膜症:血糖コントロールレーザー光凝固手術

→網膜無灌流領域では網膜光凝固が適応となる

  ↓ 

・増殖網膜症:血糖コントロールレーザー光凝固療法硝子体切除術(硝子体出血時に行う)


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網膜剥離


網膜剥離の治療法:強膜内陥術がある


中心漿液性脈絡網膜症


中心漿液性脈絡網膜症とは、片側性の視野障害変視症小視症※を呈する原因が不明の疾患である。



変視症とは、ものが歪んで見える状態をいう

小視症とは、ものが小さく見える状態をいう


・好発は30歳代~50歳代


・ストレスや過労が誘因と考えられる


・突然に片眼性の視力低下中心暗点が起こる


変視症、小視症などを呈する

→つまり、遠視化する。これは、漿液性網膜剥離眼軸が短くなることで生じる


・出血や白斑はなし、また眼圧や炎症などもみられることはない


新生血管は認められない

加齢黄斑変性症では同じく中心視野障害がおこるが、これは脈絡膜から新生血管が認められる


<検査>


血液検査HbA1c※や空腹時血糖値(FBS)なども調べること


眼底検査:黄斑部に円形の漿液性網膜剥離が認められる


光干渉断層像(OCT)検査 でも漿液性の網膜剥離を確認できる


蛍光眼底造影法色素の漏出点が認められる。蛍光漏出、過蛍光の所見

→これは点でみられることが重要、Vogt-小柳-原田病との鑑別点となる


HbA1c:空腹時血糖値と比べて1~3カ月(大体1,2カ月といわれる)ほどの長期での血糖値判定ができるため、指標として用いられている。

基準は4.6~6.2となっているが、糖尿病患者ではHbA1cを7以下にすることとなっている(2021年現在のガイドラインより)


・空腹時血糖値(FBS):基準は126mg/dL以下(健診では110mg/dL)が正常となる。

→食後2時間でも高ければ糖尿といえるが、これだけで確定診断はできないため、HbA1cも調べること。


Vogt(フォークト)-小柳-原田病との鑑別が必要である

これも、漿液性網膜剥離を生じる疾患であり、蛍光眼底造影検査多発性の蛍光漏出による過蛍光がないか確認すること


<治療>


これは自然治癒するものである。そのため経過観察となる(およそ3~6カ月ほど)



色素の漏出点レーザー光凝固を施行し、治癒期間を短縮することができる


黄斑部に光凝固は禁忌(視力低下の原因となる)


増殖糖尿病網膜症で、視力がまだ保たれている場合汎網膜光凝固を施行する


近縁疾患類について(鑑別点)


視神経炎


視神経炎視神経の炎症脱髄、血管障害、変性をきたす疾患である

両眼では頭蓋内圧亢進症や高血圧症による所見といえる


・視神経炎から視神経乳頭浮腫を呈するようになる


・症状は片眼だけである


<所見>


Mariotte盲点の拡大が認められる


蛍光眼底造影検査乳頭血管からの造影剤漏出などが認められる


糖尿病黄斑浮腫


糖尿病黄斑浮腫糖尿病黄斑症の多くを占める。糖尿病網膜症のいずれの段階でも合併することがある。


発症により視力低下などの自覚症状を呈する

<治療>


第一選択薬:抗VEGF薬の硝子体内注射


リンク先

加齢黄斑変性症


加齢黄斑変性症についての詳細は次回の眼科疾患編⑦にまとめてあります


加齢黄斑変性症とは、脈絡膜新生血管によって黄斑部に出血がみられる


インドシアニングリーン(IA)(緑色の液体)で観察される


<治療>


抗VEGF製剤を硝子体内投与する


von Hippel-Lindau病(VHL:フォンヒッペルリンドウ)


von Hippel-Lindau病(VHL:フォンヒッペルリンドウ)とは、常染色体優性遺伝疾患であり、腫瘍の発生が起こりやすい遺伝病である。

腫瘍には、脳脊髄血管腫、網膜血管腫、腎細胞癌、副腎褐色細胞腫(良性)

中枢神経腫瘍、腎癌、膵腫瘍(悪性)などが挙げられる


・遺伝家系は少なく、全国で1,000人以下となっている


・眼科でみられるものは網膜血管腫である

→これは、眼底出血硝子体出血の原因となる


<治療>


それぞれの腫瘍摘出術、臓器摘出術を行うこと


眼科では網膜血管腫があるが、治療にはレーザー焼灼術などがある



網膜細動脈瘤


網膜細動脈瘤とは、眼底検査、蛍光眼底検査で、動脈瘤がみられるはずである。


網膜静脈分枝閉塞症


網膜静脈分枝閉塞症は、眼底検査で扇形の出血が見られる





<参考文献>

メディックメディア Question Bank vol.5 眼科

ビジュアルブック 眼科疾患

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    • この記事を書いた人

    Nitroso.Ph

    自分が学んで知った事が、人の役に立つならいいかなと思いサイトを開設 ・食べる事が好きで、そのために運動をはじめました ・趣味はジム通い、ドライブ、ドラム、プログラミングなど様々あります

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