同種同効薬の使い分けについて
ここでは、血圧の薬は何々というのはすぐ調べれば誰でもわかる事なので、そこは省きます。
プロとして知っておきたい+αの知識をまとめていこうと思います。
これもまた、一人薬剤師で働いている方の為にもなるかと思います
ロサルタンとカンデサルタンの使い分けについて
・ロサルタンは糖尿病性腎症に適応があり
・カンデサルタンシレキセチルはACEIの使えない(空咳などのSEにより)慢性心不全で選択されることがあります。
β遮断薬の使い分けについて
・ビソプロロールはβ1選択的であり、心臓に特化した作用を期待している。(不整脈など)
・カルベジロールはα遮断作用もあるため、末梢の血管抵抗性の軽減により、臓器保護効果も期待できる。
・カルテオロールなどのISA活性(内因性交感神経刺激作用)があるものは徐脈になりすぎないことを期待して用いる。
利尿剤の使いわけについて
・フロセミドなどのループ系利尿剤は強い利尿作用があり、浮腫み(心浮腫、腎浮腫、下肢浮腫など)を取ることに重きを置いていると考えれる。
・トリクロルメチアジドなどのチアジド系はループ系よりは利尿作用はマイルドであり、血圧を低下させることに重きを置いていると考えられる。
解熱鎮痛剤の使い分けについて
・ロキソプロフェン等のNSAIDs(報告ではジクロフェナク)はインフルエンザなどの新興感染症には使用しないのがよい。
これは、インフルエンザ患者(主に小児だが)へのNSAIDs投与はインフルエンザ脳症やライ症候群(いずれも致死率は高い)を引き起こすと言われているためである。
それに対し
・アセトアミノフェンはそのような報告は無いため、作用はマイルドだが副作用の心配は少ないといえる。
このため、インフルエンザなどの新興感染症にかかっているという疑いがあれば一先ずアセトアミノフェンの処方となるだろう。
(※ただし、成人では処方されていることもあります。禁忌ではありません。ここは処方医の考え方次第です。どうしても不安であれば、最初だけでも「念のための確認で、投薬しても問題ないか?」というスタンスで疑義照会しましょう。)
抗血栓薬の使い分けについて
・ワルファリンは薬価が安く、長時間作用するため多少の飲み忘れは影響は無いが、しっかりとPT-INRのコントロールが必要。(定期的な採血が必要)
一方、新規のDOAC(リバーロキサバン、アピキサバン、ダビガトラン、エドキサバンなど)では、単純に飲むだけでコントロールできるが、薬価は高く、作用時間が短いため飲み忘れることが心疾患進行リスクが高まる
向精神薬の使い分けについて
・BZP系の中でも、アルプラゾラムは抗不安作用が強く、日本での適応はまだ無いがパニック障害に用いられることがある。
SSRIよりは効き目が早いということもあり、導入での使用が良いのではないかと考えられる。