眼科の第3回目となります。ここでは検査項目について詳細にまとめていきたいと思います。
(注意事項:このシリーズは、あくまでも国家試験の内容からのものであって、試験としては必要な知識は得られますが、より細かい疾患や人体の機能などの基礎部分は載っていないことがあります。
そのため、これを全て把握しても人体については全て理解し、学べたということにはなりませんのでご注意ください。
医学は未知の部分も含め、既知の部分であってもかなりの量です。ここは忘れないようにしてご利用ください。)
・眼の機能は視力、視野、色覚の3つの機能が正常に働くことでものをしっかり見ることができます。
それぞれ一つでもかけていれば視力障害の元となりますので、ここでが、それぞれの検査法についてみていきましょう。
視力表について
視標 | 説明 |
---|---|
ひらがな視標 | ひらがなを可読できるかどうかで視力検査をする |
Landolt環視標(ランドルト) | 環の隙間の方向が見えるかどうかで視力検査をする |
赤緑視標 | 自覚的屈折検査の矯正の強さを判断する ・赤がはっきり見える場合は低矯正 ・緑がはっきり見える場合は過矯正 ・赤と緑が同程度であれば適切な度数に矯正 |
固視灯 | 点灯しているところを注視したとき、目が動かないかを確認する |
乱視視標 | どの線が濃く、どの線がぼやけて見えるのかを確認することで、乱視軸を決める |
Landolt環について
・標準視標は視角が1分となるランドルト環をいう。
・距離が5mでランドルト環が直径7.5mm、切れ目が1.5mmとなるのを判別できる視力が視角が1分(視力を1.0)となる。
・視角とは、眼とランドル環の隙間の上下幅を線で結んだ時の角度であり、視力は以下で求められる。
視力 = 1 / 視角(θ)
つまり
・視角が1分であれば視力は1.0となる
・視角が2分であれば視力は0.5
・視角が10分であれば視力は0.1
眼底検査について
・眼底検査は観察範囲を広くするために散瞳薬を使う。
散瞳させた状態で網膜の観察をすることで検査精度が上がるためである。
散瞳をさせないと眼底がみえにくい
(例:蛍光眼底造影検査等)
散瞳薬について
瞳孔反応は2種類ある
(1)瞳孔散大筋:交感神経支配
(2)瞳孔括約筋:副交感神経支配
・散瞳する時は、交感神経刺激薬か副交感神経遮断薬を用いる。
副交感神経遮断薬は毛様体筋にも作用して調節麻痺させるため、検査薬としては
この副交感神経遮断薬のトロピカミドなどが使われることが多い。
・調節性内斜視疑いがある時は副交感神経遮断薬のアトロピンを使用して調節麻痺下の屈折検査をする。
隅角検査について
隅角検査をする疾患は以下の例があります
・緑内障では隅角閉塞の有無を調べる。
・ぶどう膜炎では虹彩癒着などの隅角異常がおこるため隅角検査をする。
上記のような場合では、散瞳薬を使うことで虹彩根部の厚みが増すことで隅角の検査が困難となることから散瞳薬は使用しないこと。
近視の検査について
・検影法(スキアスコピー、レチノスコピー):日常視に近い条件での両眼開放下の屈折検査。適切な度数のメガネを作る時に行う。
①検査は半暗室で、被験者と50cmは離れて対座して行う。
②縮瞳しにくい乳頭面で検査をする。
③右眼の検査では、検者の右耳後ろを見てもらう。
④スキャニングを行う。(縦長の開散光にした光を被験者の瞳孔に入れて水平移動させる)
⑤検影器を動かして、検影器の動きと反射光の動きの関係を観察する。
屈折度数が-2.0Dであれば中和する(動きはなし)
屈折度D = 中和時の検査レンズ -2
<検影器の動きと反射光の動きの関係について>
逆光:反射光が検影器の動きと逆方向に動く。これは、-2.0Dよりも強い近視を表す。
↓ 凹板のレンズの度を増やし中和する
中和:動きはなし。適切な度数である。
↑
同行:反射光が検影器の動きと同じ方向に動く。これは、遠視、正視-2.0D未満の近視を表す。
凸板のレンズの度を増やし中和する
・オートレフラクトメーター(他覚的屈折検査):他覚的屈折度数や角膜曲率半径の測定を行う。
①器械の高さと顎台の高さを調節する
②測定中心を瞳孔の中心に操作をし、ピントを合わせる
③これを3回以上は測定する
などがある
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細隙灯顕微鏡について
細隙灯顕微鏡で観察できる部位には
前眼部、眼瞼、結膜、角膜、前房、虹彩、隅角、水晶体、硝子体、網膜(眼底)など
・細隙灯顕微鏡では、Goldmann三面鏡を併用することで網膜(眼底)などを精密かつ立体的に観察することができるようになる。
細隙灯顕微鏡で診断できる疾患には以下が挙げられます。
・前房の炎症所見を確認することで、虹彩炎の診断
・Marfan症候群※1やホモシスチン尿症※2、外傷で認められることがある水晶体偏位の診断
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※1 Marfan症候群(マルファン)指定難病167:有病率は0.02%以上といわれている。遺伝性疾患である。
症状は全身に及ぶが、骨格の症状では高身長、細長い指、背骨が曲がる、胸部変形などがあり、眼の症状では水晶体がずれる、強い近視などがある。
また、心血管系の異常では大動脈解離などがある。
症状は様々であり、個人差がある。
元来、致死的な疾患ではあったが、治療薬や手術療法によって大半は普通の生活ができるようになる。
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※2 ホモシスチン尿症:先天性のアミノ酸代謝異常症の一つである。これは、メチオニンの代謝産物で あるホモシステインが血中に蓄積することにより発症する。
ホモシステインはSH基(チオール基)を介して様々なタンパクと結合するが、その過程においてスーパーオキシドを生成するため、血管内皮細胞障害を引き起こすこととなる。
症状は、中枢神経、骨格系、眼、血管系など全身に障害をもたらす。
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眼科の検査・治療法について
検査名からの疾患紹介、その他特徴をまとめてあります。
検査・器具の種類 | 内容 |
---|---|
動的量的視野計 静的量的視野計 | ・Mariotte盲点(マリオット)の測定に用いるものである ・このMariotte盲点とは、視神経乳頭に相当する部分である ・網膜色素変性症の診断に有用である (輪状視野、求心性視野狭窄を示す) |
双眼倒像鏡検査 | 両眼で眼底を観察するものである このため、眼底を立体的に観察することができる |
直像検眼鏡 | 直像鏡検査といい 片眼の眼底観察に用いるものである |
Goldmann三面鏡 | 前房隅角と眼底を観察できる |
細隙灯顕微鏡検査 | 視力低下はあるが視野障害のない、白内障診断に有用 |
涙道内視鏡 | 涙嚢の観察 |
色覚検査 | 錐体機能を評価する 先天・後天色覚異常を調べる |
暗順応検査 | 光覚検査ともいい 主に杆体視細胞の機能を調べる検査である 網膜色素変性症や小口病(おぐち)などの夜盲性疾患の診断に用いる |
眼軸長検査 | ・超音波を用いて眼軸長を測定する検査である ・点眼麻酔後、片眼ずつチップを角膜中央に当てる |
網膜電図(ERG) | ・点眼麻酔し、両眼に電極を埋め込んだコンタクトを装着し、光刺激で網膜から発生する電位を測定して網膜の機能を調べるもの。 全体的な網膜機能を評価する ・暗室で行う検査 ・網膜色素変性症、糖尿病性網膜症に用いる |
眼底検査 | ・視神経乳頭陥凹 ・網膜黄斑部中心窩 ・糖尿病性網膜症 (島状視野が多い、視野障害) ・加齢性黄斑変性症 (中心暗点だが、他の黄斑疾患との鑑別が必要) などの観察 |
眼位検査(Hirschberg法:ヒルシュベルク) | 視野障害のない斜視の診断に有用 乳幼児で斜視角の検査を正確にできない場合に用いられる方法。※詳細 |
スペキュラーマイクロスコープ | 角膜内皮細胞数を測定する 侵襲性の低い非接触型を用いることが多い |
角膜知覚検査 | ヘルペス性角膜炎で角膜の知覚は低下する 細い糸を用いる |
視覚誘発電位検査(VEP検査) | 後頭部と耳朶(じだ)に電極を接着し、光刺激などによって電位変化をみる ・網膜から大脳皮質視覚領までの機能を反映する。 ・視路の異常を示す検査である。 ・視神経疾患や多発性硬化症での視路異常 ・心因性視機能障害(脳内疾患系) などに用いる |
Hess赤緑試験 | 麻痺筋を特定するための検査 事故などにより外眼筋麻痺を生じた例で行う検査(症状は複視など:物が二重に見える) |
Schirmer試験(シルマー) | 涙の分泌量を調べる検査 ドライアイ、結膜弛緩症、シェーグレン症候群などの診断に用いる |
光干渉断層法(OCT) | 網膜の形態を調べる検査 |
近点距離測定 | 調節障害や老視(45歳以上からみられてくる)の検査 |
涙液分泌検査(Schirmer(シルマー)検査など) | 乾性角結膜炎 |
近方注視訓練 | 間欠性外斜視の場合に行うこともある視機能訓練 |
斜視手術 | 完全矯正眼鏡で内斜視が残る場合に行うこともあるが、第一選択ではなく、禁忌となる |
眼球運動検査 | 斜視を疑う時行う検査 |
眼球超音波検査 | 高度白内障などの、眼底が視認不可の時に行う検査 解像度が低い Aモード、Bモード、Mモードなどがある Aモードでは、白内障手術時に挿入する眼内レンズ度数の決定に必要な眼軸長の計測に用いる 画像診断には、Bモードを用いて眼窩病変、眼内病変、腫瘍、異物、網膜剥離などに有用である |
前房水の細菌培養検査 | 細菌感染症のぶどう膜炎で行う検査 |
光干渉断層計検査(OCT検査) | 黄斑に異常が見られる疾患である加齢黄斑変性症や中心性漿液性脈絡網膜症などで有用な検査 |
※Hirschberg法:角膜反射の位置(両眼の角膜に光が当たるように近距離に光源をおき、その光輝を両眼で見させ角膜に映った光の位置)で斜視の強さ、斜視角を測定する。
たとえば、光の影がどちらかの目の角膜の中心からずれて映っていたらその目が斜視ということです。
その他:視神経管はCTやMRIを用いて観察する。
正常では管腔は5,6mmの円形や楕円形がみられる。
これが、視神経腫瘍では管腔の拡大像や破壊像がみられる。
徹照法:水晶体混濁の確認が容易になることから、後発白内障などの診断に有用な方法である。
眼内に光を入射し、網膜からの反射光を利用して観察する。
混濁がなければ、瞳孔領内(水晶体)は一様に明るく見えるが、混濁では影状の部分がでる。
細隙灯顕微鏡でわかりにくい軽度の混濁であっても徹照法は観察可能である。
屈折を測定する検影法でも徹照法を用いる。
緑内障の検査について
・接触型の検査であるGoldmann圧平眼圧計が最も正確だが、技術が必要である。
これは、点眼麻酔し、座位で行う検査である。Goldmann平眼圧計を角膜に当てて、細隙灯で観察して眼圧を測定する。
この数値が高いということは眼圧が高いということであり、緑内障といえるが、正常眼圧緑内障もあるため、これは除外される。
ここで改めて、正常眼圧とは10〜21mmHgである。
・フルオレセインで染色し、二つの孤が重なるところの数値が眼圧となる。
角膜潰瘍などは、角膜表面が不整のため、この孤が歪になる。
・この他、測定が簡便で感染リスクのない非接触型眼圧計では、空気圧あてて測定するがこの方法が多い。
開放隅角緑内障の検査は、眼圧、視野(静的・動的)、眼圧日内変動、房水流出率などが挙げられる
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網膜電図について(ERG)
・網膜電図ではストロボ閃光刺激での網膜電位の変化を見るものである。
・a波、op波(律動様小波)、b波、c波が認められる
・角膜や中間透光体の混濁の見られる眼の網膜機能検査に用いられる。
具体的に、白内障、硝子体出血、前房出血における網膜異常の検出、網膜色素変性症、網膜剥離、眼球鉄錆症※、糖尿病網膜症などに有用。
・糖尿病網膜症は微小血管障害によって網膜全体が障害され、律動様小波(op波)が減弱する。
※眼球鉄錆症:角膜に鉄の粉や破片が入り、錆が発生した状態をいう。
症状は、角膜に激しい異物感や痛みを伴い、炎症、角膜混濁、視力低下をひきおこす。
1日ほどで症状が現れる。治療には錆を削り取る治療が必要である
症状が進むと、錆が眼球内部に入り眼球鉄錆症という重い障害になることがある。
網膜剥離や緑内障、白内障などを併発すると、視力低下や視野障害を引き起こし、失明に至ることもある。
治療は、異物を取り除き、感染予防のため抗菌点眼薬と、傷口修復のためのヒアルロン酸点眼薬を用いる。
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視覚誘発電位検査(VEP検査)について
・視覚誘発電位検査とは、視路の異常を示す検査である。視神経疾患や脳内疾患に用いる。
・視覚刺激が網膜に達した時の脳波を測定する検査であり、そこまで達していない状態は異常を確認することができる。
角膜、水晶体、網膜などに異常が見られない時に、視神経以降の視路に異常がないかを調べるために用いる検査。
また、他覚的検査が必要な乳幼児や知的障害者、心因性視力障害者、詐盲疑いなどにも用いられる。
老視について
これは、近方視力で確認する
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Hess赤緑試験について
・Hess赤緑試験とは、暗室で片眼に赤、もう片方は緑のレンズをつけた眼鏡を装用し、壁面に投影された赤い指標に緑のポインターを合わせていく検査である。
・外眼筋麻痺であれば、提示された赤色の指標と緑色のポインターの位置がずれる。この、ズレが最も大きい部位が麻痺筋である。
色覚異常について
色覚異常とは正常とは物の色の見え方、感じ方が異なっている状態をいいます。これには先天性、後天性がある。
・先天性色覚異常は割と多く、日本人男性のおよそ5%ほどいます。日本人女性は0.2%ほど。
先天性では質的に違っており、自覚に乏しいこともあるため、しっかり検査にて早期発見が大事である。
・後天性のものとしては、加齢によって白内障などの視力障害を生じるのと同じように、色覚の異常も呈してくると考えられています。
後天性では質というよりは、量的に異なる。
色覚異常には種類によって見え方は異なります。次の項目でまとめてあります。
検査には仮性同色表、アノマロスコープ、パネルD-15検査などがある。
これには、偽陽性や偽陰性もありうることから、精密検査では一通り行うとよい。
仮性同色表:石原式色覚検査表などがある。これは、簡易的なもののため、正確な診断にはアノマロスコープを用いる。
仮性同色表とは、数種類の色をモザイク状に配置した図形(数字や形)が書かれている。
それを見て、判定を行う方法である。
色盲があればみえるもの、みえないもの、正常であれば見える物、見えない物を組み合わせて、判定を行う。
アノマロスコープ:特定の光(緑色と赤色)を用いて、色合わせ(等色法)を行う検査である。
赤色と緑色の混合比によって錐体の機能を調べる。これにより、第1色盲か第2色盲の判断は確定的となる。
ただし、2色型色覚異常か3色型色覚異常かまではわからない。
・2色型色覚異常:色の3要素(赤、緑、青)のうち1要素が欠損したもの
・3色型色覚異常:色の3要素のうち1要素の感覚が弱くなっているもの
赤と緑が重なり、黄色になる部分を調べるが、これのズレによってどの色(どの錐体)が機能異常なのかを判断。
(→種類については次の項目参照)
<波長>
赤色:671nm
緑色:546nm
黄色:589nm
パネル D-15 テスト:色をグラデーション状に塗った外径2cmの16 枚の円盤(キャップ)を用いて
1つの基準の色相キャップと15個の色相キャップを色の似ている順に並べることで
強度の色盲か中程度の色盲または正常までの2群に分けるために開発された検査である。
このため、これで異常がないからといって、色覚異常がないとは言い切れない。
逆に、異常が見られたからといって、色覚が正常であることもある。
最も赤色と緑色の異常を確認できる正確性の高い検査と言えば、アノマロスコープといえる。
他の検査はあくまでも補助的であり、偽陽性、偽陰性を取り除くためと思って良い。
尚、色覚の正常と異常を一つの基準として規定しているものであって、本当の意味での正常というのは人は決められないと考えられる
疾患と障害部位について
疾患 | 障害部位 |
---|---|
加齢白内障 | 水晶体疾患で前眼部の疾患である |
角膜ヘルペス | 網膜機能は障害なく、角膜の障害であるが、これも前眼部疾患である。 |
乾性角結膜炎 | 前眼部疾患である。眼痛や頭重感の症状が見られる。 涙液分泌検査(Schirmer(シルマー)検査など)が必要 |
流行性角結膜炎 | 院内感染を起こす前眼部疾患 このような疾患は接触型の検査(ERGなど)はしてはいけない。 |
春季カタル | アレルギー性結膜疾患の一つであり、眼瞼結膜の増殖性変化を伴う。 |
動眼神経麻痺 | 眼球運動が悪い状態である ただし、視路には問題ない |
<参考>
色覚の多様性と視覚バリアフリーなプレゼンテーション
https://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree1-8.html(閲覧:2021.9.28)
色覚異常の種類について
型 | 特徴 |
---|---|
1型色覚異常 | 赤色に反応しやすいL錐体※の機能に異常がある |
2型色覚異常 | 緑色に反応しやすいM錐体※の機能に異常がある |
3型色覚異常 | 青色に反応しやすいS錐体※の機能に異常がある |
※錐体とは明るいところで見えるようにするための視細胞である。
これにはL、M、Sと3種類ある。この組み合わせによって色を見分けている。
色の区別がつきにくい組み合わせについて
実は、色が見えにくくなる組み合わせというものがあります。それが以下の通りとなってます。
赤 + 黒 (1型のみ) |
ピンク + 水色 (1型のみ) |
ピンク + 白色(灰色) |
茶 + 緑 |
緑 + 黒(灰色) |
橙 + 黄緑 |
赤 + 緑 |
青 + 紫 |
注)これには、色覚異常の種類や程度、画面環境などによっても変わります
リンク先
蛍光眼底造影検査について
蛍光眼底造影で網膜を調べるが、調べることができるものとしては以下が挙げられる。
解像度は高く、新生血管であっても可視化可能である
検査できる疾患 | 特記事項 |
---|---|
うっ血乳頭 | 視神経乳頭からの過蛍光がみられる |
中心性漿液性脈絡網膜症 | 黄斑部の漿液性網膜剥離の原因となる漏出血管を描出できる 造影剤の漏出点を見つけて、その部分をレーザーによって光凝固する |
糖尿病性網膜症 | 微小循環不全、無血管野、動静脈吻合、IRMA※1、血管新生など |
急性びまん性ぶどう膜炎(原田病) | びまん性の漿液性網膜剥離である |
黄斑浮腫 | ー |
黄斑変性病 | ー |
網膜血管炎 | ー |
Behcet病※2(ベーチェット) | ー |
高安病※3 | ー |
網膜動脈および静脈閉塞症 | ー |
視神経炎 | ー |
などが挙げられます
※1 IRMA:網膜内細小血管異常という、血管の閉塞した部分と正常な部分の間にできたバイパス様の血管をいう。
早期発見のためには、蛍光眼底造影検査が必要である。
適切に治療(糖尿病治療、レーザー凝固治療)をすれば視力は維持できるが、進行すると増殖網膜症に移行する。
※2 Behcet病(ベーチェット、指定難病56):主症状は4つあり、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の慢性再発性の全身性炎症性疾患をいう。
原因は不明だが、白血球の機能が過剰となり炎症を起こすものである。ヒト白血球抗原であるHLA-B51が健常者に比べて多いと言われている。
治療は症状に合わせて変わるが、ステロイド、免疫抑制剤、分子標的薬、コルヒチン、セファランチン等が挙げられる。
※3 高安病(たかやす、指定難病40):高安動脈炎といい、大動脈及びその主要分枝や肺動脈、冠動脈に炎症性壁肥厚をきたしてその結果、狭窄、閉塞または拡張病変を来す原因不明の非特異的大型血管炎である。
男女比は1:8と女性に多い疾患である。20歳前後がピーク。
病型分類もある。詳細は以下のリンク先が一番良いかと思います。
治療はステロイド、免疫抑制剤、トシリズマブなど分子標的薬
<参考>
難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/290 (閲覧:2021.10.2)
(1)浮腫の確認:造影剤の貯留から浮腫と確認する
(2)循環動体の確認:網膜血管の経時的変化を見ることで循環を確認する
(3)新生血管の有無:新生血管は透過性亢進のため、過蛍光として見えることで確認
(4)色素上皮障害:網膜色素上皮が正常なら脈絡膜は暗く見え、異常時は脈絡膜背景蛍光を確認できる
・蛍光眼底造影検査は血管造影検査である。このため、神経繊維は描出できない。
<参考文献>
メディックメディア Question Bank vol.5 眼科
ビジュアルブック 眼科疾患
(注意事項:このシリーズは、あくまでも国家試験の内容からのものであって、試験としては必要な知識は得られますが、より細かい疾患や人体の機能などの基礎部分は載っていないことがあります。
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