最新診療ガイドラインについて
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂について(第3版 2019年改訂)
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂部分について
- 痛風関節炎や痛風結節症状を有している場合に
血清尿酸値に関わらず生活習慣の修正を行ったうえで薬物治療に入る必要がある
- 小児の高尿酸血症についてはまれであり、そのほとんどは何らかの基礎疾患をもつ
- 乳幼児期から高尿酸血症を呈する疾患として
先天代謝異常症(酵素異常症、トランスポーター異常症)、ダウン症候群が挙げられる
- 急性胃腸炎は高尿酸血症をきたすが、通常輸液によりすみやかに改善する
- 肥満小児による高尿酸血症では古くからアロプリノールの使用があるが、有効性、安全性は不明である。
痛風発作(急性痛風関節炎)の治療法について
- 主たる治療薬は、NSAIDs、グルココルチコイド、コルヒチンである
- 海外の検討では「プレドニゾロンは30~35mg/日を5日間投与」されていることが多い
- 低用量コルヒチン投与※1は有効であり、NSAIDsではパルス療法※2を1日行う
通常はそれ以降は、通常量のNSAIDsで経過を見る。症状の改善があれば投与中止する
※1 低用量コルヒチン:発症12時間以内にコルヒチン1.0mg(2錠)を投与、その1時間後に0.5mgを投与する方法
※2 ナプロキセンでは300mg を3時間ごとに3回の投与で、改善見られなければ、3回目投与から24時間空けてもう一度300mgを3時間ごとに3回の投与をする。
注意として、胃や腎障害のリスクを考慮、またワルファリンとの相互作用についても考える必要がある
高尿酸血症患者では、軽度の腎障害がみられることがあるため、下肢の浮腫などの初見がみられていたり、ワルファリンが処方されているならば、ステロイドの投与が良いといえる
- 翌日から残存する疼痛に対しては、程度に応じてコルヒチンを0.5~1.0mg/日で継続し、疼痛が改善したら速やかに中止する
尿酸降下薬の投与について
- 治療薬については、腎保護の目的で明確に推奨された
- 医療経済の観点から薬価の安いアロプリノールが使われることがあるが
尿酸値コントロールのためには、中等度腎障害患者に対して常用量のフェブキソスタットやトピロキソスタットがよいと考えられている
- 生命予後ならびに心血管病発症リスクの軽減を目的とした投与は積極的には推奨できない
- 生活習慣を是正したあと、降圧薬として尿酸代謝に影響を及ぼさない降圧薬を使用し、血圧をコントロール後に血清尿酸値(UA値)8mg/dL以上であれば尿酸降下薬の投与を考慮し6mg/dL以下にしていくという治療アルゴリズムのチャートがある
尚、利尿薬やβ遮断薬は血清尿酸値を上昇させる
- コホート研究において、治療後のUA値が低いほど、痛風結節最大径の縮小率が高いといわれる
- 心不全は高尿酸血症をきたしやすく、心不全を有する患者における腎機能低下は心不全の増悪と密接に関連する
そこで、心不全患者では、腎保護や痛風発症抑制を主目的とする条件下で、体液バランスと血清尿酸値や腎機能を評価して、高尿酸降下療法の要否を検討することが必要である
(尚、高尿酸血症合併心不全患者において生命予後改善を目的とした尿酸降下薬は、非投薬に比して積極的には推奨できないと判断している)
- コルヒチンの長期投与は短期投与と比較して有意に痛風発作を予防した
このため「尿酸降下薬投与中にコルヒチンを0.5mg~1.0mg/日を6か月投与推奨」となっている
しかし、副作用として下痢や肝障害ならびに骨髄抑制があることからモニタリングが必要である。
- 食事についてはVC、DASH食※3、地中海食、果物・大豆食が血清尿酸値を有意に低下させる
乳製品・コーヒーなども痛風を有意に減らす(アルカリ食のため)
一方で、アルコール、肉類、魚介類、果糖は痛風を有意に増加させる
※3 高血圧を防ぐ食事方法のことである。塩分と炭水化物を抑え、K、Ca、Mgの3つのミネラルと食物繊維を多く摂取するという方法で、これにより塩分の排出が高まる
(参考:日本成人病予防協会より https://www.japa.org/tips/kkj_1901/(2021.8.16 閲覧))
病型分類について
- 産生過剰型:肝臓での尿酸が過剰に産生されるもの。およそ1割ほど占める。
- 排泄低下型:腎臓での尿酸が排泄しにくいもの。およそ6割を占める。
- 混合型:酸性過剰型+排泄低下型のもの。およそ3割を占める。
- 腎外排泄低下型:ABCG2輸送体を介して尿酸が消化管排泄され、この働きの低下により痛風を高率に発症することが報告されている
腫瘍崩壊症候群の高尿酸血症について
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Nitroso.Ph
自分が学んで知った事が、人の役に立つならいいかなと思いサイトを開設
・食べる事が好きで、そのために運動をはじめました
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